スパを開店してから、数か月の間に、すでに3人のスタッフにやめられてしました。
タイのお笑いお姉さん「ゴイ」ちゃんは、最初からあまり期待をしておりませんでしたが、そのあまりのいい加減さに、正直、タイ人の国民性を疑いだしていたトヨでした。(今の理学療法士のスタッフはすばらしい子達なので心配しないでくださいね。)
前回の記事はこちらから
☟
ふたたび、タイマッサージのポックちゃんだけになってしまったわけですが・・・
こんな状態で、本当にスパなんて経営していけるのでしょうか?
不安だらけですが・・・今は、少しでも物語を先に進めましょう・・・。
新しいスタッフのジップちゃんの採用
バンコクでのブライダルショーが終わり、一旦、日本に戻ったトヨとナツコですが、ナツコは自分のサロンの仕事があるので、通常の毎日に戻ったもののトヨは
ポックちゃんひとりにお店を任せて来たけれど大丈夫なんだろうか?
・・・・・・と心配でならず、本来のトヨの業務がなかなか手につきませんでした。
(当時は、まだRENEの植物生体水を製品化したばかりだったので、宣伝活動のためのホームページ作りや、商品の機能性の検査を研究機関に依頼する等、たくさんやらなければいけない業務がありました。)
この時点では、まだトヨはバンコクでのスパ経営に正式に関わる予定はなく、トヨ自身もそのつもりが全くなかったので、バンコクのことは気にはなるものの、そろそろ本来の仕事に頭を切り替えていかなといけないと考えていました。
しかし、毎日毎日、ポックちゃんから
会いたい
寂しい
早くタイに戻って来て
いったラインが来るので、トヨの心はざわついて、なかなか落ち着かない状態でした。
日本に戻ってから数日後、Rさんから
一人、良い子が見つかりました。
タイマッサージをしていた子なんですが、年齢は28歳なので、とても落ち着いた子です。
ポックと昔、一緒に働いていたことがあるので、仲良くはやれると思います。
という連絡が入りました。
彼女は、今彼氏と二人で暮らしており、果物を車で売り歩く仕事をしていますが、あまり売れ行きがよくないらしです。
自分達だけで生活するのであれば、今の仕事でもやっていけるけれど、子供が一人いて田舎の母親に育ててもらっているため、仕送りが必要なので、自分はタイマッサージの仕事に戻ろうかと考えているそうです。
それなら、うちのサロンで働いてみないかと声をかけたら、試験的に3ヶ月やらせてみてくれと言ってます。
写真もラインで送られてきましたが、確かに落ち着いた感じの子でしたが、トヨは、写真だけでは本当にわからないので、一度会ってみる必要があると思いました。
それで、再びバンコクに行くことを決めました。
4人目のスタッフはかなりクールで真面目な子でした
この子なら、安心して使えるかも?
ただ・・・難点は、とにかく愛想がないのです。
Rさんとタイ語で話をしていても、ほとんど笑いません。
緊張していたとう面も多々あったとは思いますが、28歳という年齢の割に、見た目の落ち着き具合は、何処から見ても「おばさん」でした。
でも、とても真面目な性格のためメキメキと上達し、1週間後にはポックと並んでお客さんの施術もできるようになっておりました。
余談ですが・・・上の写真の男性客二人ですが、「おかまちゃん」です。
女性に変身していないおかまちゃんなので、見た目は男性そのままです。
でも・・・仕草は完全に女性です~!!
写真を「RENEのfacebookファンページに掲載させて」とお願いしたら、喜んでポーズをとってくれました。
このオカマちゃんは、RENEのリンパマッサージをとても気に入ってくれて、ほぼ毎日通ってくれていました。
ポックちゃんとジップちゃんとの関係は?
ジップちゃんとポックちゃんは、年齢が離れていましたが、とても気が合い仲良くやってくれていました。
元タイマッサージコンビの結成とういことで、一安心することができました。
また、ジップちゃんは時間にもきちんとした子であり、開店の1時間前には出勤して掃除も丁寧にしてくれる子でした・・・。
しかし・・・この元タイマッサージ師二人をコンビにしたことで、エステサロンではなく完全にタイマッサージ店になってしまっており、お客様の対応もタイマッサージ店そのもの・・・・・でした。
そのため、「接客」という二文字は、この二人には全然ありませんでした。
Rさんが、厳しく指導してくれておりましたが、タイマッサージ店しか知らない二人には、何がどういけないのか、全くピンときていないようでした。
それでもジップは、Rさんの指導を受けて、お客さんのお出迎えからお見送り、領収書の作成などきちんとこなせるようにはなっておりました。
反対に、ポックちゃんは、すべてジップちゃんがやってくれると甘えて、施術以外は何もしようとしなくなりました。
といっても、ポックちゃんは雇用した時から、施術以外のことを少しでもやらせると、すぐに「ヌアイ、ヌアイ、(タイ語で疲れた)」を連発する子であり、とても動きの悪い子だったので、徹底して鍛え直さないと使い物にはならない人材ではありました。
とにかく、ポックちゃんに
マッサージをすることだけが、ここでの仕事ではないんだよ
とうことを、徹底して叩き込むために、いろんなことをさせることにしました。
例えば・・・お店のメニュー作り
この時は、まだパソコンなども持ち込んでいなかったので、とにかく画用紙に手書きするしかなく、二人にタイ語でメニューを書いてもらいました。
・・・といっても、メニューはベーシックとスペシャルの2つしかなかったので、たいした作業ではなかったのですが(笑)
でも・・・ポックちゃんは、そんな簡単な仕事をさせても、
タイ文字は汚い・・・
ハサミを使わせたら、真っすぐに切れない・・・
といった状態で、全く話になりません。
結局、ポックちゃんは
ヌアイマーク(とても疲れた)
と言って、途中で放り出して何もしなくなりました。
なので、せっかくポックちゃんにさせようとしていたことも、途中からジップちゃんが引き受けるという状態でした。
タイ人の個人の能力と国民性(能力の差が激しいタイ人)
トヨは、警察学校の教官を4年間していた経歴があるのですが、その時は高校を出てすぐの18歳、19歳の生徒達を教えて「あまりにも子供すぎる」と途方に暮れたことが何度かありました。
しかし、このポックちゃんや、この前辞めたポップちゃんに比べると、「あの子達はなんと素直で良い子達だったんだろう」と思いました。
警察学校時代の生徒達は、まだ高校を卒業したばかりで精神的に子供ではありましたが、やはり「警察官になって国民のために働きたい」というこころざしの高い子達ばかりだったので、どんなに叱られても、罰としてグランドを走らされても、「クソ〰、いつかあの教官を見返してやる」という反骨精神で食らいついてくる子達ばかりでした。
けれど・・・教官時代は「赤鬼」とまで呼ばれて、生徒達を叱り飛ばしていたトヨが、仕事を途中で放棄してスマホをいじってるポックちゃんに全く何も言うことができないのです・・・・。
タイ語が通じないということが一番の理由ですが、タイ人は日本人のようにメンタルが強くありません。
なので、叱る時は「辞められても仕方ない」と腹を決めてしからないといけないので、ついつい甘やかしてしまいます。
やんわりと注意しただけでも、仏頂面になり一日何もしなくなります。
特に、タイマッサージの子達は、タイマッサージ店がいくらでもあるため、辞めてもすぐに次の仕事が見つかります。
また、ポックちゃんは、日本人駐在員の愛人もしていたので、毎月、いくらかのお小遣いももらっていたため、それほど生活に困っておりませんでした。
反面、ジップはタイマッサージ店より、いくらか給料の良いRENEで正式に雇ってもらいたいため、非常に真面目に働いてくれていました。
しかし、やはり彼女の能力には限界があり、現在のRENEのスタッフである理学療法士さん達とは天と地ほどの差がありました。
この先、何人かのスタッフの入れ替わりの後、現在の優秀なスタッフと出会うことができたのですが、本当に今のスタッフはすばらいと感謝しております。
理学療法の治療技術もさることながら、とても頭が良く、英語も喋れますし、会計関係もこなしてくれます。
さらに、私達のビザやおや商品のライセンス関係、タイ語版のホームページの作成などの宣伝関係など、施術以外のことでも非常に高い能力を発揮してくれています。
時間にはきっちりとしており、一度も遅刻をしたことがなく、またお店の掃除や洗濯などもとてもきちんとこなしてくれます。
指示をしていないのに、エムちゃんというスタッフは毎日、必ずトイレの掃除を欠かしません。
頼みごとをしても嫌な顔をされたことは一度もなく、お店のことだけではなく、私個人のことや愛犬さくらのことなども、常に気を使ってくれています。
もともと、タイ人は非常に頭の良い国民であり、個人的な能力はとても高いものを持ってます。
なので、ポックもジップも、リンパマッサージを教えたら、数日で習得できてしまうのは頭の良い証拠なのですが、この子達は育った環境が「その日暮らし」であり、夢や目標といったものが全くなく、また夢や目標を持つとうことの意味すらわからない状態なのです。
なので、自分達で現状を開拓しようとう思いは全くなく、次から次へと1円でも給料が高いとなれば、平気で仕事場を変えていきます。
自分の人生を変えてくれるのは自分の努力ではなく、職場の給料が良いか悪いかでしかないのです。
そのため、1円でも多くもらえる職場を延々と探すだけで、1円でも自分が多く稼げるようにスキルアップする努力というものは全くしません。
その典型的な姿が、辞めたアンちゃん、ポップちゃん、ゴイちゃん、そしてこの時のスタッフであるポックやジップたちでした。
反対に、今のスタッフは理学療法士になるという目標を持ち、医科大学の入学をめざして勉強し、大学卒業後には国家資格を受け、理学療法士のライセンスを取得しています。
その後5年ごとに国家ライセンス更新試験があるため、更新試験の合格をめざし、さらに最新の医療技術の取得等のスキルアップのために、大金を払って厳しいトレーニングや研修を受けています。
彼女達は、ひとりでも多くの人を治療して治してたいという夢を持ち、計画性のある人生を送っているため、自分の力でより良い環境を作り出そうと努力することができます。
タイ人は王様と頂点とするピラミッド型の格差社会の構造であるため、生活レベルや個人の能力に非常に差が激しいのです。
今のスタッフは、そこそこ良い家庭の子達であり、バンコクで下宿して大学を卒業させてもらえるだけの経済的余裕が家庭にある子達です。
けれど、トヨとナツコは、最初にポックちゃんやゴイちゃんのように、底辺の生活層で働くタイ人女性達に出会ってしまっただけに、
「タイ人をスタッフに雇うのは無理かもしれない」
という不安をどんどん大きくしていくことになるのです。
頭数としてはなんとかスパを経営していける状態に揃ったものの、果たしてこの二人でお店を支えていけるのでしょうか?
そんな不安を感じながら、再びトヨは日本へと戻ったのです。
次回の記事はこちら
本日のバンコクRENEスパのご紹介はこちら!!
バンコクRENEスパのスタッフはタイの医科大学を出て国家資格を有する理学療法士さん達です。
本日のお勧めは、身体の硬さを改善する理学整体です。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語の全編目次は下のバナーをクリックしてください。