前回は、トヨが兼務するホリステック医療センターの、あり得ないブラックすぎる内情をご紹介しました。
前回の記事はこちらから
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今回は、遂にトヨも堪忍袋の尾が切れたという話をしたいと思います。
* 上の写真は、Toyoにとても親切にしてくれたスタッフの子達です。
(左からギックちゃん、アップルちゃん、オップちゃん、オーンちゃん、ギックちゃん新人)
告げ口得意のノンさんが解雇??
トンロー病院は、開店からもうすぐ1年が経とうというのに、まだゴタゴタしておりました。
チーフのヌンさんは、相変わらず自己中心的で、楽することと忖度しか考えていない嫌な奴でした。
唯一、頼れる性格の良いウンちゃんは、いよいよプーケット店の開店が真近ということでいなくなっていました。
可愛いがっていたミャンマー人の娘達もいなくなり、
無理してここで働かなくてもいいのではないか?
と思い出しておりましたが・・・・
契約が後数ヶ月だったことと、
ひどい扱いを受けている新人の理学療法士さん達が、トヨのことを母のように慕ってくれており、彼女達を残していくのが心配だったこと
からなかなか踏み切れないでおりました。
ただ、トヨの契約が切れた時点で、我慢して働いている新人理学療法士達も辞めると腹を決めておりましたので、とにかく後数ヶ月共にがんばろうと誓いを立てていました。
そんなある日、トヨはウイチャダーさんに呼ばれました。
あらら、遂に私が解雇かな~
と思っていたら、ウイチャダーさんは、予想もしない話を始めたのです。
ノンさんに辞めてもらおうと思うの
えっ???
なんて?
ノ、ノ、ノンさん?
今、私聞き間違えた??
トンロー店の経営が振るわないのでしょ。
なので、給料の高い者から辞めてもらおうと考えてるの。
それに、ノンさんは施術ができないし、別に要らない社員だし
と言うのです。
信じられない話でした。
少し前までは、なんでもノンさんの話を鵜呑みにして、通訳のヌンさんやら、オップちゃんギックちゃんをいじめていたのは誰なの?
それに、通訳のヌンさんがいる時に、ヌンさんの通訳を交えて、スタッフから聞かされた話では、
ノンさんは、ウイチャダーさんの会社に30年程勤めてる人であり、ウイチャダーさんの会社が一度倒産した際に、倒産の後処理をすべてノンさんが手伝ったため、ウイチャダーさんはノンさんに絶大な信頼を置いている
ということでした。
そのため、ノンさんが誰かの悪口を言ったら全て信じていたし、反対にノンさんをスタッフの中に放り込んでスパイとして、ウイチャダーさんの悪口を言っていないか等探らせていた
ということも聞きました。
また、ノンさんは、
難病を患っているため病院代が非常にかかることと、過酷な仕事はできないことを承知で長い間雇っていたそうであり、突然解雇されたら、たちまち生きていけなくなるため、みんなノンさんに悪口を言われても、彼女の病気のことを考えてがまんしている
という状態でした。
なのに、
経営が傾いて来たからと言って、長年使えて来たスタッフを、一番先にリストラするのは、人としてどうなの?
と思わざるを得ないことでした。
本当にウイチャダーさんはおそろしい人です。
ノンさんのリストラは、年が明けてからということでしたが、この数日後には解雇の件が本人に伝えられたようであり、ノンさんはその翌日から仕事に来なくなりました。
ノンさんと仲がよかったアップルちゃんから聞いた話では、ショックで寝込んでしまっているとのことでした。
さらに、ウイチャダーさんは、あと数名リストラするつもりでおり、その人物の名前を聞かされて、トヨは心底頭にきました。
ウイチャダーさんが辞めさせようとしていたのは、
オップちゃん、
ギックちゃん
テウちゃん
の3名でした。
3人とも、中堅クラスのとても素晴らしい理学療法士さんなのに、「払う給料が高いから」というのが理由だそうで、もう話になりませんでした。
そうなると、残るのは性格の悪い、現チーフのヌンさんと、新人の子達だけです。
一気に、お店のクオリティーが落ちてしまいます。
ウイチャダーさんの方針がさっぱりトヨには理解できませんでした。
さらに、
新人の理学療法士よりも、先生の方が整体もマッサージの技術も上なので、できれば先生がメインに整体をしてほしいわ
と言うのです。
トヨは、日本人だし、タイの理学療法士の資格もありません。
そんな資格外の療法をアシスタントならまだしも、自分が主として行うなどあり得ない事です。
それすらも、ウイチャダーさんは、
そんなのお客さんにはわからないわよ~
と平気で言い放つのです。
もう、この人の言うことをまともに聞いていたら、とんでもない事態になりかねません。
これは、潮時だな・・・と思い出した時、トンロー店のオーナーがウイチャダーさんから別の人に変るという話が出たのです。
みんな、そのうわさを聞いて大喜びしましたが、真相はわかりません・・・
ということで、数日様子を見ることにしました。
結局、事の真相は・・・・
ウィチャダーさんとビジネスパートナーを組んでいたシンガポールの資産家が撤退することになり、その代わりにお客さんでもあり、有名なアイドル歌手のお母さんが新しくパートナーになるということが決まった
ということでした。
その方は、凄く性格の良い方であり、旦那様が日本企業の重役をされていることもあって、かなりの日本びいきの方でした。
当時、ウイチャダーさんが「日本人をターゲットにするのはやめる」と言い出したため、日本人に対する宣伝は全てストップしていたのですが、この方は
日本人を呼べない店なんて、世界的に認められないわ
という考えをもっておられ、再度日本人を対象とする宣伝を開始することになったのです。
けれど・・・・、一応、ウイチャダーさんとはビジネスパートナーという関係上、全てその方の思い通りになるわけではなく、ウイチャダーさん的には
「あなたはお金さえ出してくれたらいいの。経営は私がするのだから」
という考えが捨てきれずにいるようで、微妙に対立しているのが見ていてわかりました。
とにかくウイチャダーさんは、超ワンマンなので、どうも上手くいく気がしません。
そんなことから、スタッフ達は、少しの希望を繋ぎつつ、辛い毎日をなんとか乗り越えていく・・・という日々を送っておりました。
そんな最中、ウイチャダーさんが経営するタイの病院4店舗のスタッフ全員が集まって行う研修会の日程が決まりました。
チェチュンサオにある保養地に、スタッフ全員が集まって、泊まり込みで行う研修らしいのですが・・・・・
なんと!!
その日が、日本から来るお客様の予約が入っている日と重なっていたのです。
これは大変なことになる!!
ということで、さっそくトヨはウイチャダーさんに抗議をしたところ、最初
予約の日を変えてもらって
とあっさり言われてしまったのです
それは、あり得ないですよ!!
3ヶ月も前に予約してくださっているのに、店側の都合で日を変更してくれなどお願いできるわけがありません。
しかもオップちゃんを指名してきているのですよ!
当日はオップちゃんに施術をさせるから心配しなくていいと言われたではないですか!!
ということで、かなりくらいついて文句を言ったところ、
じゃあ、予約が入っている日の早朝にオップとアップルとテウだけ帰らせるわ
3時間でバンコクに着くから、10時の予約には間に合うでしょ
ということになりました。
よかった、なんとか対処できた・・・。
と安堵したトヨでしたが、この後、とんでもない事態が待ち構えていたのです。
胸の痛みに襲われたトヨは、数時間放置され・・・
オップちゃんは?
昨日、解雇されました
こちらの都合で、オップの指名を急遽受けることができなくなったので、同クラスの腕があるチーフのヌンが施術をさせていただきます。
すぐに病院に連れて行ってあげてくれ
わかりました。すぐに病院に連れて行きます
どうして先生を病院に連れて行かないんだ。
ウイチャダーさんに今すぐに連絡する!
今、連れて行こうとしていたところです
大激怒の日本人のお客様
大丈夫ですか?
異国で働くということは日本人の常識は通用しないということ
ウィチャダーさんが経営するホリスティック医療センターは、タイ人が経営する会社の実態であり、タイには、こういうずさんな経営をしている会社が非常に多いと聞きます。
日本人のお客様には、
タイのことは私にはよくわからないし、私たちにその実態を話すのはあなた間違っていますよ!
全ては、日本人スタッフのあなたの責任じゃないの!!
もっと、しっかりとしなさい!
とすごいキツイ言葉をたくさん言われました。
お客さまの怒りの気持ちはよくわかりますが、すべて日本のようにはいかないですし、日本人だからと言って、この病院で起こることの責任を全てトヨが負わされるのは違うと思います。
でも、お客様にトヨの立場を理解してくれとお願いしても、海外の事情がわからない方には無理な話です。
ただ、こういうことが普通に起こるのが異国であり、100%日本のような対応を求めても、それはとうてい無理です。
トヨも、東南アジアの各国をかなり旅行しましたが、やはり信じられないような事や対応をたくさん経験しました。
けれど、その国の人にとっては、それが普通のことであり、日本人が何をそんなに怒っているのか理解してはもらえません。
今回のホリステック医療センターの対応は、「異国だから」では済まない、その域を超えてひどすぎるものでしたが、当のタイ人たちは、全く自分達が悪いとは思っていません。
でも、間違っていることをわからせて、国際的に通用するサービスができるようにならないと、いくら最新の設備や技術を取り入れていても、業績が落ちていくのは止められないと思います。
この病院は、先ずオーナーが、そのことをわかっていないし、その娘やマネージャー達もわかってません。
なので、そう遠くない将来、この病院は存在していないだろうなと思いました。
実際に、現在トンロー店は、新しいオーナーさんに経営業務の全てが移行したそうです。
ウイチャダーさんが経営する本店と保養所は、スタッフが全員クーデターを起こすような形で辞めてしまい閉店となったそうです。
当時のメンバーでは、アップルちゃんのみが、新しいオーナーさんの元に残ってトンロー店で働いているそうですが、当時のメンバーは誰一人として残っていません。
さらに、あの親切だった総支配人のグリットさんは、ウィチャダーさんに騙されて大金を貸したものの戻ってこなくなり、うつ病をになってしまい、病院を去ったそうです。
そんなことからトヨは、この出来事を通して、大切な自分の店であるRENEスパでは、何よりもお客様を大切にする心を、スタッフに教えていかなければいけないと実感しました。
ということで・・・
トヨは、1年間の契約期限よりも少し早く、このホリステック医療センターを自ら辞める決意をしたわけなのですが・・・・辞めるだけでは終わらず、辞めてからもオーナーには酷い目に遭わされてしまいました~。(これは次回に少し紹介しますね)
タイ人と喧嘩しても勝てないというのはこのことか・・・・
と思いましたが、RENEスパから一歩外に出たことで、異国で働くことの厳しさを知ることができ、それはそれで良い勉強になったなと思っています。
以上で、トヨの修行編はおしまいです。
次回は、いよいよナコ先生ことナツコと新しい挑戦を始める挑戦編へと移行します。
もう、どろどろとした話はさほど出てこないので、みなさん安心して読んでくださいね。
お店に来て下さるお客様の中には、この出来事が、現在進行形だと思われている方もおられ、「大丈夫ですか~。大変な目に遭いましたね」と声をかけていただくことも多いのですが、色々と、皆様にご心配をおかけしたんだな~と、改めてびっくりしております。
ご心配してくださった方に、この場を借りてお礼を申し上げます。