心優しいチーフとミャンマー人のアシスタントを切り捨てた病院オーナー(元女性コンビがバンコクでスパ経営物語64話)

お店のご紹介
この記事は約14分で読めます。

医療センターとRENEスパとを兼務するようになってすでに10か月が過ぎたトヨですが、前回は、医療センターでとてもお世話になった通訳のヌンさんが、同センターのお局的存在であるノンさんという年配の女性のたくらみにより、数々の嫌がらせを受けた末に、辞めてしまったというお話しをしました。

 

 

 

ヌンさんは、結局、働いた3ヶ月分の給料を支払ってもらえず、怪我のお見舞い金すら出してもらえませんでした。

精神的にも身体的にも経済的にもひどい目に遭っていたヌンさんは側で見ていたトヨは、これがよく話に聞くタイ人のブラック企業の実態だと知りました。

 

前回の記事はこちらから

通訳ヌンさんをいじめて辞めさせた卑劣な病院オーナーとお局マネージャー(元女性コンビがバンコクでスパ経営物語63話)
さて、RENEスパとホリスティク医療センターとを行ったりきたりする生活が始まって数ヶ月過ぎたトヨのその後ですが・・・・・ オーナー家族がトヨをまるで専属のセラピストのように使いだすようになり、ますますこのオーナー一族のブラックぶりにあきれる...

 

ヌンさんの件は、他のスタッフにも大きな影響を与えることとなりました。

みんな、「この病院に勤めていて、この先大丈夫なんだろうか?」という不安を持ち始めたのです。

 

そして、そんなスタッフの不安に追い打ちをかけるような出来事が続きました。

なんと、あの腕も性格も抜群に良かったチーフのオップちゃんが、チーフから降格させられた上に、別の店に異動せられてしまったのです。

 

今回は、その状況についてお話したいと思います。

 

自分の保身のために平気で同僚を陥れるお局様と新チーフ

通訳のヌンさんが辞めてから、給料を貰えなかったのはヌンさんだけではない・・・・という状況が出てきました。

 

通常給料日は5日だったのですが、ほとんどのスタッフが5日になっても、翌日になっても、2日後になっても、給料が振り込まれないという状況が出てきたのです。

みんな、家賃やら田舎への仕送り等があるので、当然、騒ぎだすという状況になり、会計係の人はオーナーとの間に入っててんてこまいの状態になっていました。

 

スタッフの給料は、新人とベテランでかなり金額に幅がありましたが、中には1万8000バーツ程しかもらっていない新人の子達もおり、給料の支払いが2日も3日も遅れると、すぐに生活に響いてくるので、遂に泣き出すという事態にまでなっていました。

 

なんとか、その月の給料は、全員2~5日遅れで振り込んでもらえたようですが、当たり前のようにトヨには振込みがありません!!

あれほど、自分の娘2人、姪っ子3人の痩身を入れ代わり立ち代わり、タダでトヨにさせていたくせに・・・

休日やRENEスパに居る時とかにも、平気でVIPの客が来たから、病院に来るようにと命令してきたり・・・

かなりの超過勤務で働かせたくせに・・・・

 

なんと

日本人のお客さんが少ないから、先生はほとんど働いていないでしょ。

 

だから、給料は払えないわ

 

と、勝手な都合を持ち出して払おうとしないのです。

 

日本人のお客さんの多い少ないで、給料を決めるなんて契約はしていないし、途中で勝手に契約内容を変えたりするのは、まるで日本のお隣の国みたいでした。

 

給料が支払われないというストレスは、どのスタッフも同じであり、それはみんなの士気にも響いて来だしました。

 

告げ口外交により降格させられたオップちゃん

そんな中、日本から3日間連続で施術を受けたいという予約が入りました。

それもオップちゃんを指名しての予約でした。

 

どうも、以前に来られた日本人のお客様が、オップちゃんの施術を受けてから、日本のどの整体院に行っても治らなかった腕の痛みが取れたということで、自分のお友達に紹介してくださったのです。

 

予約を入れてくださった方は、50代と60代の日本人の方で、バンコクには治療だけに来るつもりでいるので、必ずオップちゃんに施術をしてほしいことを念を押されておりました。

予約は3ヶ月前から入っていたので、余裕でオップちゃんを施術に当てることは可能でした。

 

ところが、この3ヶ月の間に、どんどん病院の様子がおかしくなってしまったのです。

 

ある日、トヨが休憩室に行くと、オップちゃんが肩を落としてうなだれており、その横で後輩のギックちゃんがオップちゃんを慰めていました。

つたないタイ語で、何があったのか聞いたところ・・・

 

例のお局のノンさんが、

オップとギックは、まったく仕事をしないで休憩ばかりしている。

 

さらに、私に生意気な口をきく

と、オーナーに告げ口していたのです。

 

それで、前日、この二人が別々に呼び出されて、オーナーに凄く叱られたそうです。

 

ギックちゃんは、負けん気が強い子なので、オーナーに事実じゃないと言い返したそうですが、大人しい性格のオップちゃんは一言も反論できずに、言われるままだったそうです。

 

その結果・・・

なんと、オップちゃんは、チーフの職を解かれてしまい、給料も減給されてしまったということでした。

 

それで、二人共辞めようかどうしようかと思案中だということでしたが、契約がまだ後数ヶ月残っているので、今辞めると働いた分の給料は間違いなく貰えないだろうということで、かなり悩んでいました。

トヨは、何もしてあげれませんでしたが、本当によくしてくれている二人だったので、なんとか力になりたいと考えていました。

 

ちょうど、別の日本人が関係する案件でオーナーのウイチャダーさんと打ち合わせがあった際に、日本語の通訳さんがいたので、二人の事を話題に出したのです。

 

そうすると、ウイチャダーさんの口から出てくるのは、噓八百なことばかりであり、いかにお局ノンさんが、ウイチャダーさんに嘘の告げ口をしていたかが良くわかりました。

 

それで、トヨは

toyo
toyo

ウイチャダーさんは、ノンさんのことだけを信用して、ノンさんだけの話しか聞いていないけれど、私の目から見て、本当に仕事をしないのはノンさんの方ですよ。

 

オップちゃんは、とてもお客さんから評判が良く、陰ひなたなしに真面目に働く子です。

 

ギックちゃんは、明るい性格で喋りも上手なので、お客さんからはとても人気があります。

 

二人共、お店にとっては大切なメンバーだと思います。

 

反対に、ノンさんは、好き嫌いが激しく、今までも自分の嫌いな子の悪口をウイチャダーさんに吹き込んでは辞めさせて来たという噂がスタッフの間ではあり、毎日、人の悪口ばかり言って、なんの仕事をされているのか、わたしにはさっぱりとわかりません

という話をしたのです。

 

これには、ウイチャダーさんもびっくりして、

 

ノンさんってそんな人だったの?

私は、騙されてたのかしたら?

と言い出し、翌日から総マネージャーのプーちゃんがトンロー店に監視に来ることとなったのです。

 

さすがに、プーちゃんが来ると、病院内の雰囲気が一気にひきしまります。

彼女が、いかに他のスタッフから怖がられているかが良くわかりました。

 

けれど、なぜプーちゃんが来るのか不審に思ったノンさんが、急にプーちゃんにすり寄るようになりました。

 

そして、プーちゃんは、しっかりと現状を把握するのかと思いきや・・・・

トヨにフェイスマッサージをさせたり、他のスタッフに整体をさせたり・・・と、

 

toyo
toyo

まるでオーナーきどりで、ただ遊びにきてるだけじゃん

 

という状態だったのです。

 

そして、3日程して、プーちゃんは本店に戻っていきましたが、その後、突然オップちゃんが本店に異動させられるという事態になったのです。

 

結局、プーちゃんは、お局ノンさんに丸め込まれて、自分の目で状況を把握することもなく、ノンさんから聞いた話だけをウイチャダーさんに報告したようでした。

 

そして・・・オップちゃんは、ギックちゃんと引き離されて、ひとり本店へと異動させられてしまったのです。

 

でもここで問題は、例の予約を入れてくださった日本人のお客様がオップちゃんを指名している件でした。

toyo
toyo

日本人のお客様は、オップちゃんでなければ、予約をキャンセルしてきますよ

ということを、ウイチャダーさんに伝えたら、

 

予約が入っている3日間は、オップちゃんをトンロー店に行かせるから大丈夫よ。心配しないで

 

という返事が返って来たので、もうそれ以上はしつこく言えないでおりました。

 

そして、オップちゃんの代わりにチーフとしてやってきたのが、本店で何度か顔を合わせたヌンさんという30代の子でした。

 

通訳のヌンさんと同じ名前で、ややこしのですが、このチーフとして来たヌンさんは、とても性格の悪い子でした。

 

いつも、開店ギリギリの時間に出勤してきては、みんなが準備をしているのに、ひとり休憩室で念入りに化粧をします。

そして、施術は極力若い子にさせて、お金持ちでチップをはずんでくれるお客様はそっせんして自分がするというような子でした。

 

さらに、トヨのことも顎で使い、自分のアシスタントにつかせることも度々ありました。

また、暇なときは、施術室で寝ていたり、勝手にドームサウナ等に入っていたりと好き放題にしていました。

 

けれど、とても口が上手くて、ウイチャダーさんやプーちゃん、お局ノンさんにはペコぺコで、忖度が大得意なことから、とても可愛がられていました。

このチーフが来たことで、さらにトヨの心の中では、不安が広がって行きました。

 

次から次へと起こる考えられない事態

そんな最中、トヨがトンロー店に出勤した時、お店の開店時間の午前9時になっても、店は閉まったままでスタッフは誰も来ないという日がありました。

 

そして、9時過ぎにタイ人のお客様が一人来られましたが、お店が開いていないので中に入ってもらうことすらできません。

 

toyo
toyo

いったいどうなってるの?

トヨはスタッフのアップルちゃん等に電話連絡をしましたが、誰も出てくれません

 

仕方なしに、今はもうトンロー店から異動させられたオップちゃんに電話したら、オップちゃんはすぐに電話に出てくれました。

 

なんと、朝からウイチャダーさんが急に

全員本店に集まりなさい。緊急ミーティングをします

と言い出したらしく、全員本店に行っているとのことでした。

 

しかし、チーフのヌンさんは、トヨが出勤日だとわかっているはずなのに、一切連絡をくれませんでした。

 

すぐに、アップルちゃんから電話がかかってきて、

 

ごめんなさい。

てっきりチーフが連絡を入れていると思っていました。

 

電話から離れていたので、先生の連絡にも気が付きませんでした

 

と平謝りしてくれましたが・・

問題はトヨのすぐそばにいるお客様をどうするかです。

 

それを説明したら、

ウイチャダーさんの娘のビターちゃんが、お店を開けておくと言っていたのですが?

 

来ていないんですか!!

 

ビターちゃんが行ってくれるというので、お客様にはお店の待合室で15分程待っていてくださいと連絡を入れておいたのですが・・・

とアップルちゃんもびっくりしていました。

 

仕方がないので、お客様には

toyo
toyo

どこかで朝ごはんを食べて来て下さい。

 

30分後にはスタッフが来ますので

と説明していたところ・・・・

 

やっとビターちゃんが、高級車のBMWでお店の前までやってきたのです。

 

ところがビターちゃんは、すでにお客様が来ているのを見てやばいと思ったのか、車から降りて来ようともしないのです。

 

トヨの方から車に近づくと、トヨに向って車内から、

 

私は鍵を持っていないから、すぐに鍵を持っている者を来させるから

と言うと、すぐに車を発進させて立ち去ってしまったのです。

 

toyo
toyo

お客様に頭を下げるのが嫌だったのでしょうか?

トンロー店の責任者はあなたでしょ?

 

あり得ない対応でした。

 

ビターちゃんは、事態が悪いので、完全に逃げ出したという状態でした。

 

結局、お客様は常連さんだったお陰で、

仕方ないわね。

マイペンライ(大丈夫です)。

近くで食事をして30分後に戻って来ます

と言ってくれたので、助かりました。

 

そして、その後10分もしないうちに、アップルちゃんとテウちゃんが戻って来てくれたので、大きな問題にはならなかったのですが、日本ではありえないような、お客様への接客です。

こんなことをしているから、売上が伸びないのだと思いました。

 

さらに、お局ヌンさんは、すべて自分の思い通りになってきていることで調子に乗り、今度はオップちゃんの後輩だったギックちゃんを追い出そうと画策しはじめたのです。

 

また、トヨには、

あなたは新人だから、年末年始の休みはないからね!!

ということも言いだしたのです。

 

すでにトヨは、帰国する予定で、飛行機も予約していたのですが、そのことを伝えても

みんな田舎から来ているから、帰省したいのはあなただけではありません。

という始末です。

 

トヨは、別条件で契約していることも分からずに、上司風を吹かせるようになっていました。(ノンさんは、チーフのポジションであり、マネージャーとして採用されているトヨよりは、下の役職になります)

 

あいかわらず、新しくきたチーフのヌンさんは、自分勝手な行動ばかり取って、みんなをまとめようとはしませんし、休憩室は若い理学療法士さん達の愚痴で渦巻いている状態でした。

 

そして、そんな中、ついにオップちゃんの後輩であるギックちゃんも、ヌンさんの告げ口外交のせいで、別の場所へと異動させられてしまったのです。

もう、トヨが心を許せるの者は、オップちゃん派閥の新人さん達数名しかいない状況でした。

 

しかも、その新人さん達は、毎日毎日、仕事が辛いと泣いているような状況で、トヨは片言のタイ語で慰めるお母さん役になっており、何のために仕事をしているのかわからない状況でした。

 

監禁して奴隷のように使っていたミャンマ―人達を国に追い返したオーナー

さらに、トヨが可愛がっていた、ミャンマ―人のアシスタントの子達が、実はビザも就労許可証も持っていない密入国者だということがわかり摘発されそうになりました。

 

それに慌てたウイチャダーさんにより、ある日、突然バスに乗せられてミャンマーへ返されてしまったのです。

 

 

 

この子達は、15~16歳位の子達であり、

toyo
toyo

こんな年齢でビザが下りるんだろうか?

と疑問には思っていたのですが、やはり・・でした。

 

ビザがないため、この子達は、病院の一室で寝泊まりし、休日もいっさい外に出ることはできない監禁状態にされていたそうです。

 

スタッフの子達は、それを知っていましたが、みんなウイチャダーさんから口止めされており、黙っていたそうです。

トヨにも、絶対に話してはいけないと言われていたそうです。

 

彼女達がミャンマーに返されることが決まった時、異動させられたオップちゃんとギックちゃんがトンロー店にやってきて、彼女達に洋服をたくさんプレゼントしていました。

やっぱり、この二人は、本当に優しい良い子達だなと思いました。

 

トヨも、彼女達が毎月6000バーツしかもらっていなかったことを知り、選別として5000バーツずつ持たしてあげました。

 

ミャンマー人をタイ人よりも下の人種だと考えているオーナー達は、自分達の保身だけで、奴隷のようのにこきつかった彼女達を、彼女達の意思とは関係なしに、突然切り捨てたのです。

最後にきちんと、給料が支払われたかどうかも疑問でした。

 

そして、こんな不安だらけのことが次から次へと起こる状態の日々が過ぎ、いよいよ、最悪の日がやってきたのです。

 

 

お店のご紹介元女性刑事コンビがスパ経営物語
バンコク リンパマッサージ&理学整体スパ RENE
小顔&リフトアップマッサージ、リンパ痩身、理学整体、内臓整体、頭蓋仙骨療法、頭蓋マッサージ、チベット式足裏温灸マッサージ等「美と健康」をテーマにしたオリジナル施術をご提供する日系スパです。スタッフはタイの国家資格を持つ女性理学療法士です。
この記事を書いた人
「バンコクリンパマッサージ&理学整体スパ RENE」店長 Toyo

元奈良県警の女性刑事から転職した変わり種セラピスト(大阪出身奈良県在住、現在バンコク在住)

20年間強行班係(殺人・強盗・強姦等の凶悪犯罪を取り扱う係)の刑事として仕事をしてきたため、検視や解剖業務に携わることが多く、人体や健康に非常に興味を持ち解剖学や生理学等の勉強に励み、健康管理士や心理カウンセラーの資格も取得しました。

その後、友人や同僚等、家族などを相次いで癌や心筋梗塞等で亡くしたことをきっかけに、健康関連の仕事をしたいと考えるようになりました。そして、友人が健康食品&化粧品製造会社であるRENE(レーネ)を起業する際にスカウトされて転職を決意しました。

タイにはサプリメントや化粧品の原料となる「山の神様の贈り物」と呼ばれる黒ガリンガルを買い付けるためにやってきましたが、本格的に黒ガリンガルの輸入を開始するためタイで会社を設立することとなり、その際、会社の事務所と併設したリンパマッサージスパを開店しました。

しかし最初はタイ語ができないこともあり、タイ人スタッフに翻弄さる日々が続き、騙されたり、お金を盗まれたり、お客さんが来ない日が続いたり…と、ハチャメチャなスパ経営を行っておりましたが、1年後にはタイで有名なホリスティック医療センターのオーナーに、取得している資格や知識、リンパセラピストとしての技術が認められ、同センターに招かれることとなりました。そこで日本式のリンパマッサージの技術指導に当たるとともに、世界最先端のホリスティック医療や理学整体を学びました。

現在は再びRENEスパに戻り、ホリスティック医療センターで学んだ知識を活かして、国家資格を持つ理学療法士達と共に、リンパマッサージと理学整体をメインとした数々のオリジナル施術を考案し、「美と健康」をテーマとした施術をみなさまにご提供しております。

スパを経営するまでの詳しい経緯はこちら

RENEブログをフォローする
RENEブログをフォローする
バンコクのリンパマッサージ&理学整体スパ・RENE(レーネ)のブログ
タイトルとURLをコピーしました