バンコクRENEスパ店長のトヨは、ナコ先生ことナツコから「頭蓋仙骨療法(クラニオセイウラルセラピー)」の技術を習うことになり、再びナツコがタイに来てくれて、訓練が始まったというところまで、物語は進んでおりました。
そして、その訓練では、頭蓋仙骨療法のあまりの難しさに、不安ばかりが募るトヨであり、ナコ先生ことナツコから
まずは第一呼吸を感じるようになってくさだい
と言われたものの、そのまずはの第一歩の地点でもう????状態に陥ぅておりました。
なので、読んでいただいているみなさまにはもっと???だと思いますので、先ずは、お話しを進めていく上で頭蓋仙骨療法ってどういう療法なのかについて、簡単に説明したいと思います。
頭蓋骨は閉じたり開いたりしている?
さて、みなさんは、「頭蓋骨が閉じたり開いたりしている」ということをご存知でしょうか?
トヨは、ナツコから頭蓋骨が閉じたり開いたりしていると聞いた時、
あんな硬いものが閉じたり開いたり?
信じられない?!
と思いました。
頭蓋骨は28個の小さな骨からできています。
まるでジグソーパスルのように28個の骨が上手く噛み合って球体の頭蓋骨を形成しているのです。
この28個の骨の継ぎ目が、実は、どのような場合も絶えずゆっくりと「閉じたり開いたり」とゆっくり動いているのだそうです。
ある周期によって膨らみ、また縮みといった動作を、まるで呼吸のように繰り返しているそうです。
この動きは肉眼で捉えることもできませんし、自分自身で感じることもできないくら微細な動きになるそうです。
そして!!
この頭蓋骨の動きが何らかの原因でトラブルと起こすと・・・体の不調が起こると考えられたアメリカのオステオパシー医師のサザーランドさんにより、長い年月研究されて開発されたのが、頭蓋仙骨療法になるのだそうです。
その後、同じくオステオパシー医師のアプレジャーさんが発展させて、今の手法に体系化されたそうです。
骨の継ぎ目の部分の縫合の動きが硬くなってくると、そこにある毛細血管や細胞を圧迫したり、けん引したりして頭痛が起こります。
めまいや耳鳴りといった耳に関する症状(メニエール症候群)等は、耳がついている側頭の骨の可動性に問題がある場合に起こると言われています。
また、おでこの骨の動きが硬くなると、「うつ」や「やる気の低下」といった症状が現れるとされています。
これは、感情や欲求を司さどると言われている脳の前側、つまり前頭葉に問題があるからだそうです。
また、これら頭蓋骨の動きの低下が起こると、脳脊髄液の循環が低下することが原因だとも考えられています。
ということで・・・。
「頭蓋仙骨療法」というのは、頭蓋骨の継ぎ目の動きを感じることができなければならず、とても繊細な感覚が必要とされる療法であることがわかりました。
ナツコが、この療法を学んだ時、他にも生徒さんが大勢いたそうですが、頭蓋骨が閉じたり開いたりするという感覚をすぐに掴めた人は、ナツコ以外、数名だったそうです。
中には、1週間訓練しても、閉じたり開いたりする感覚がわからず泣き出ししまった生徒さんもいたそうです。
・・・正直、トヨもさっぱり閉じたり開いたりがわからず、スタッフの理学療法士達も「わからない〰」という言葉を毎日連発しておりました。
どうも、うちのスタッフの理学療法士や、その理学療法士に整体手技の指導を受けてきたトヨは、力強い大胆な施術をすることから、フェラーリタッチで、繊細な動きを感じ取るというのがとても苦手なことに気が付きました。
1週間後には、理学療法士達は「私達にはできません。トヨさんががんばって覚えてください」と投げ出してしまいました。
スタッフの子達は、とても練習熱心で努力家な子達なので、「できない」と言い出したのはとてもびっくりしましたが、彼女達は皮膚に覆われた筋肉にアプローチしていると言っても、大学の4年間の解剖実習で、全身の筋肉の状態を実施に目で見て覚えているため、いつも皮膚を通して筋肉を見ている状態で施術をしていました。
なので、「頭蓋骨」という目に見えない物に対するアプローチについては、とてもわかりにくいらしいのです。
筋肉はいくら皮膚に覆われていて目に見えなくても、触れば直接手で感じることができるけれど、「頭蓋骨が開いたり閉じたり」という微動な動きは、ほぼ「静」の動きであり、「動」の動きを得意とする彼女達には、非常にハードルが高い施術だと感じたそうです。
そんなことから、スタッフ二人には頭蓋仙骨療法を覚えてもらうことは断念しました。
諦めたスタッフ達・・・そして、やっぱり私にもできない〰!!
頭蓋骨が動いていると言っても、それは目にみえるような大きなものじゃないから、とてもとても小さな動きだから〰!!
肺呼吸のような動きとは違うの??
普通の呼吸のような大きな動きとは違うよ〰。
とにかく、通常の動的な動きの概念を捨てて、かすかな動きを感じ取ってほしいねん!!
そのかすかな動きが全くわからん!!
というようなやりとりが何度も何度も交わされたものの、トヨは一向に頭蓋骨の動きを掴むことができません。
この頭蓋骨の動きを感じることができるようになれば、手を使って頭蓋骨の形を変えたりすることが可能になるんよ。
あんな硬い物の形を変えれるの?
整形手術のように、目に見えて何センチも変わるということはないけれど、それでも表情なんかは誰が見ても気がつくくらいの変化は簡単に出せるようになるんよ〰!!
確かに、頭蓋骨が1枚の骨でてきているとしたら、その形を矯正して変えるのは「絶対に無理でしょう!!」と思わざるを得ないのですが、
頭は金属の塊ではなく、複数の骨が組み合わさってできているものなので、よくよく考えてみると、わずかに動いたってそれは不思議でもなんでもなく、医学理論的にも当たり前のことだったのです。
けれど、「頭蓋仙骨療法」という療法が、知られるようになるまでは、なぜ手で頭蓋骨を緩めることができなかったのでしょうか?
それは、単に頭蓋骨がゆるむということを、「知らなかった」だけの話だったのです。
私達の体には、まだまだ知られていないことが山ほどあります。
自分のカラダでありながら、生まれてこの方動かしたことがない箇所が結構あるそうです。
なので、最初に「頭蓋骨は動くし、緩むし、形を変えることができる」ということに気が付いた人はすごいと思います。
では・・・・
いったい誰が、そのことに気が付いたのでしょうか?
次回は、最初にそのことに気が付いた人のことをご紹介しながら、トヨの訓練の状況をご紹介していきたいと思います。