このシリーズは、2018年にアメブロで掲載したところとても好評であり、この連載記事を読んで「いったいどんな元警察官店長なんだろう?」と、私自身に興味を持っていただき、お店に脚を運んでくださったお客様もおりました。
当時の連載を読んでくださっていたとある方から、「あれ面白かったね~、もう一度読みたいけど、探せないんだよね~」と問い合わせがあり、そのことがきっかけで、再度編集しなおしてお店の公式ブログに連載することにしました。
お陰様で、前回の連載時に読んでくださっていたお客様だけでなく、新しく読んでくださるお客様も増えて、「次の話を楽しみにしてます」という温かいお言葉もいただけるようになりました。
ということで、前回は、バンコクスパの開店に向けて、日本からお坊様に来てもらってお祓いをしたところまでご紹介しました。
14話目の今回は・・・・
開店と同時にいきなりスタッフに辞められる・・・という、トヨの人生ではこんなこともあるんだという衝撃の経験をすることになったお話になります~
>>元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語全編の目次は下のバナーから
なんとなくの開店でいいのかな? どうも嫌な予感が・・・・
いつがオープンなのか?はっきりと日にちがわからないまま、なんとなく・・・いつの間にかお店が開店しているという状態になりました。
まだスタッフ2人とも、とてもお客さんに施術ができるレベルではないため、まだメニュー表もできていないし、価格も決まっていないし・・・という状態で、早くもお店はオープンという状況になっていました。
こんないいかげんな形でやっていけるの?
とトヨもナツコも不安になりました。
トヨはあくまでもお店の開店に向けてのお手伝い、という形で勝手について来ていたので
「私はナツコのフォローで勝手に来ているだけだから、私がいちいち口を挟んではいけない」
と思っておりました・・・が
トヨもナツコも、元警察官であり、規律に縛られた日々を毎日送ってきただけに、きちんと計画がないと不安になるという習慣がありました。
なので、
この状態やったら、Rさんが苦労するだけやろね。
みんな日本に帰ってしまうんだから・・・
ある程度は形にしておいてあげないと、店の器だけできたらいいものとは違と思うよ〰
と言った話をしておりました。
トヨもナツコも、この後、それぞれ小さいけれどお店の経営というものを自分でやることになって「筋書き通りに行くことなどまずない」という商売の難しさを思い知らされましたが・・・・・・
まだ、この時は90%以上、組織人としての考え方が強かったみたいで、きちんとした形が見えないと、とても不安だったのです。
私には無理です、できません!!
そんなことで、お店はなんとなくオープンしているものの、まだお店の中ではスタッフに対するマッサージの練習が続いていました。
そして・・・そろそろ、二人がタイにいるのも残り2日となりました。
残り2日でなんとかお金をいただけるレベルまでもっていかないと! という意気込みで店にやって来たトヨとナツコですが・・・・そんな二人にRさんからとんでもない話がありました。
さっきアンから「やはり私には無理ですできませんのでお店を辞めます」という内容のラインが来ました。:
えっ〰、うそ〰!!そんな・・、まだ練習して3日ほどなのに、すぐにできるわけがないではありませんか・・・たったあれくらいの練習で根を上げるの??
ところが驚いている二人を尻目に、Rさんの口から出た言葉は
まだ、辞めると連絡してきただけ、ましですよ・・・・
というものでした。
トヨとナツコは、この時のRさんのピントのずれた話に
何を言っているの? どういうこと?
と思いました。
けれど、その言葉が意味することを、今の二人は十分理解でるようになりました。
辞めると連絡がないまま、突然来なくなってしまうのは、タイではごくごく普通です。そうなると、いくら連絡しても連絡が取れず、来るのか来ないのかも判断できないまま、無駄に数日を過ごすことになるのです。
はっきりと、辞めると言ってもらうと、すぐに次の子を探すことができる・・・
タイでは、そんなもんなの〰??と、驚きの二人でしたが、言葉も通じない状況で、ナツコが必死で指導したあの3日間はいったいなんだったのでしょうか?
でも、この無駄な時間を、この先のスタッフに延々と繰り返すこととなることなど、まだまだ二人には想像もつかないことでした・・。
トヨちゃんだけ、あと1週間タイに残ってくれる?
辞めたものは仕方がない・・・ということで、Rさんが早々に次の子を探し始めました。
なんとか、ナツコが滞在している間に、エステシャンとしての資質があるかどうかだけでも判断してほしいと考えたRさんは、なにがなんでもその日のうちに次の子を見つけると言い出しました。
そして、本当に帰国前日の夜に、ポックちゃんというまだ19歳の女性をお店に連れてきたのです。
ポップ に ポック? ほんまにややこしい!!
大学生のポップちゃん、タイマッサージのポックちゃん
と覚えてくださいね。
彼女は、知り合いの女性が経営するタイマッサージ店で働きている子なんですが、まだ19歳で東北地方から出稼ぎに来ています。ある程度、お金を貯めたら田舎に帰ると言っていますが、それまでならお店を手伝いますと言ってくれています。この子に素質があるかどうか、見てもらえますか?
ということで、早々にナツコが、タイマッサージのポックちゃんの手先の器用さ等を判断するため、簡単なテクニックを指導したところ・・・
流石にタイマッサージをしている子だけあり、とても上手なのです。
この子上手やわ~。悪いけどポップちゃんより相当センスがあるわ。
と大絶賛しておりました。
ところが・・・・・その様子を見てた、大学生のポップの顔色がみるみるうちに変わってきました。
ナツコも、ポップちゃんの顔色を見て
失敗したわ~。大学生のポップちゃんの前で、タイマッサージのポックちゃんを褒めすぎてしまったわ~
と大反省。
なんとなく、重い空気が流れだしました。
この様子を見ていたRENEの社長のKちゃんも、このままでは不味いを感じたようでした。
そして翌朝・・・・
ホテルでみんなで朝食を摂っているいるときにKちゃんがトヨを呼びました。
トヨちゃん、今日帰国する予定でいると思うのに申し訳ないねんけど、トヨちゃんだけ、あと1週間タイに残ってくれない?
えっ? 1週間〰 なんで~
昨日、一晩考えてんけど、今の状態で私らが帰ってしまったら、Rさんが大変な思いをすると思うねん。会長とも話をして、トヨちゃんにRさんをサポートしてもらうしか方法はないな〰ということになってん。
確かに・・・その心配は、私もしてたんですが・・・でも・・・この異国に1週間、私だけ、たったひとりで残るんですか? タイ語喋れないから、少々不安が・・・英語もあまり喋りないし・・・
大丈夫、大丈夫!! トヨちゃんやったら度胸座っているから何とかなるよ!!それに、例のグレーY氏(スパの共同経営をする予定の日本人男性)の目的も動きもまだしっかりと掴めてないし、私らがいなくなって何か仕掛けてくるかもしれないし・・・その時に、RさんはY氏の悪だくみを何も知らないから、まんまと騙されるかもしれないし・・・色々考えたら、やっぱり元警察官やったトヨちゃんが、そばで監視していてくれたら安心やということになってん。トヨちゃんが残っていたら、Y氏もトヨちゃんが元警察官だってわかっているから、下手なことはできないと思うねん!!会社設立のために、まだまだ色々とすることはたくさんあるから、お願いするね~!!
ということで、なんとトヨだけ1週間タイに残ることになってしまったのです。
ナツコのように、マッサージの指導ができるわけではなく、タイ語も一切わからないし・・
いったい何をどうサポートできるのか?
とにかく、海外慣れを全くしていないトヨだっただけに、1週間もひとりで異国で過ごすなんて・・・もう不安しかない状態でした。
さてさて、この先、いったいどうなってしまうのでしょう・・・・・・
>>元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語全編の目次は下のバナーから