こんにちは。RENEスパ店長のtoyoです。
みなさんは、オステオパシーって聞いたことがありますでしょうか?
私は、整体を学ぶまでは全く知りませんでした。
おそらく、日本ではまだまだ認知されていないのが現状であり、法制化もされおりません。
私がこの言葉を初めて耳にしたのは、タイのホリスティック医療センターで非常勤勤務員として勤務するようになってからです。
その病院は、世界各国のオステオパシー医療を取り入れており、私はその効果の凄さを目の当たりにして、一気にオステオパシーに興味を持ちました。
オステオパシーは、海外においては40年以上歴史のあるスタンダードな医学であり、世界保健機構(WHO)に認められている政党な世界的医学の1つです。
アメリカやイギリス、フランスなどでは国家資格の免許を必要とします。
オステオパシーを積極的に取り入れている国は、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国、オーストラリア等です。
これらの国では、国民の間でオステパシーは広く認知されており、多くの方がオステパシ―の治療を受けられています。
現在、RENEスパにおいて、日本から上津希美乃先生に来たいただき、期間限定特別療法としてみなさまにご提供している「頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)」も、オステオパシー療法の1つになります。
そんなことから、頭蓋仙骨療法をより理解していただくためにも、今回は、オステオパシー療法についてご紹介したいと思います。。
1 オステオパシーってどんな治療なの?
そんなオステオパシーとは、いったいどんな治療なのでしょうか?
オステパシ―は、1874年にアメリカのミズリー州の医師アンドリュー・ティラー・スティルによって創始されました。
オステパシ―の語源は、ギリシャ語のOSTEON(骨)とPATHOS(病理、治療)の2つであり、日本では整骨療法と呼ばれていたこともあります。
日本には、大正期にカイロプラクティック(脊髄指圧療法)やスポンディロセラピー(脊椎反射療法)と同様に、アメリカから導入され、指圧や整体など日本の手技療法に大きな影響を与えました。
2 オステオパシーの特徴
たとえば、肩が痛い時には病院や接骨院では、その場所を詳細に検査し治療しますが、オステオパシーでは、肩や膝を含めた体全体を診ていくのです。
そして、施術する必要がある場所を見つけて調整していきます。
施術するのに必要な場所は、痛い場所から遠く離れた場所であるケースも多々あります。
では、なぜこのように全体を診ていく必要があるのでしょうか?
例えば、体には「膜」といわれる結合組織があります。
「膜」は、筋肉では筋膜、骨では骨膜、内臓では胸膜や腹膜、心膜などと言われ、名前が変わるえで全てが繋がっています。
この「膜」には血管やリンパなども通っています。
「膜」はスムーズにお互いが滑ることで円滑な動きが行われます。
「膜」に制限があれば、この滑りが悪くなり、そこを通る血管や神経の働きを邪魔します。
そして、全体が繋がっているために、遠い場所まで影響を及ぼすのです。
影響が出た場所が本来持っている機能の働きが鈍くなり、様々な症状を出します。
症状とは関係ないと思もわれる場所を施術して、症状が変るのはこのためなのです。
スティル医師は、「腹膜は、疾患の原因を探す場所であり、診断をする場所であり、治療を始める場所である」という格言を残されています。
もう1つ例を挙げると、例えば足を上げる時には、股関節も関節も動きます
股関節が硬い場合、それを補うために腰の関節が余計に動きます。
たとえ股関節の制限が小さいとしても、歩行などの繰り返される動きえ腰への負担が大きくなり腰痛になるケースがあります。
この場合、腰だけを診るのではなく、股関節に動きをつける必要があります。
このように全身を診ていき、施術する場所を見つけ、施術して正常な働きを取り戻し、後は、患者さんが持っている自然治癒能力が体を健康へと導いていく・・・
これが、オステオパシーの医療理論なのです。
さらに、オステオパシーは哲学に則っています。
・ 身体全体を1つのユニットとして考える
・ 身体の機能と構造は一体のものと考える
・ 自然治癒能力を鼓舞する事を主眼にする
この独自の医学体系がオステオパシーの特徴といえます。
とてもとてもシンプルな考え方だと思いませんか?
3 オステオパシーの歴史
オステオパシーの創始者である、医師アンドリュー・ティラー・スティルは、医師になった後、流行病で実の子を3人亡くします。
医師でありながら実の子を救えなかったという悲惨で辛い経験をされました。
その経験などから、同じ病名でも助かる人と助からない人がいある、裕福だから助かるとは限らない、十分な医療や栄養を与えても助からない場合がある・・・・
と自分が学んできた医療に疑問を持つようになりました。
そこには何かを見落としているのではないかと・・・・
また、スティル医師は、幼少期の頃、激しい頭痛持ちでした。
ある日、ブランコで遊ぼうとしたら頭痛に教わり、なんとかしようとして頭頚部をブランコに引っ掛けます。
そうすると、楽になり気持ちよくそのまま寝てしまいました。
起きた頃には頭痛はなくなっていたのです。
それからは、頭痛の度にそれを行ったといいます。
父の仕事(牧師)柄、インディアンとの交流があり、山で狩りをするのが好きな子供でした。
そして、仕留めた獲物の解剖をするのが好きで、腹膜や骨などをよく見ていました。
これらの経験から、解剖学的な異常から、生理学的な不調があき、病気になるのではないか?
という仮説を立てるようになります。
そこで、患者さんを診ていくと関節の機能障害や高さの違いなどをみつけていきました。
それらを矯正するためにテクニックを自分で生みだしていきました。
さらに、アンドリュー医師は、解剖学の知識にも大変長けていました。
インディアンのお墓を掘り返し、解剖学の観察もしました。
これらの結果から、医師は2つの発見をします
1 身体に無駄なものは何1つとない
2 身体は合理的にできている
ということです。
スティル医師は、「どんな病気にも必ず骨格系の異常が存在し、その影響で循環器系の問題を引き起こしている」ということを見出したのです。
これらの観点から、患者を治療していくと、患者は大変よくなっていきました
その反面、本当に必要な場合にしか薬を出さなくなりました。
薬は毒だと考えたからです。(実際、薬は腎臓機能に障害を与えることが最新医学で分かってきております。)
その結果、同僚の医師や缶やから迫害を受けました。
悪魔の使いなどともいわれました。
患者が来なくなり、教鞭をとっていた学校や教会からも追放されます。
家族と共に引っ越しを余儀なくされ、全売に患者を診る旅に出ました。
その後、当時荒野だったミズリー州カークスビルに開業します。
すると、旅で彼が診てあげた患者が全米から集まって来ました。
患者が多く集まるようになり、やがて一人では診きれず、弟子をとるようになります。
そして、1892年に A.S.O(アメリカン・スクール・オブ・オステオパシー)を設立します。
最初の生徒は21名だったそうです。
最初は民間人にも教えていましたが、解剖学をしらないとオステオパシーはできないため、途中から医師にしか教えなくなりました。
その後は、単科大学のKCOM(カークスビル・カレッジ・オブ・オステオパシー・メディスン)となり、現在では、総合大学A.T.Still.Univ/KCOMになっています。
オステオパシー大学の世界一難関であり、世界一有名であり、聖地と呼ばれているのです。
ここには、当時のスティル医師の建物が残っており、アンドリュー医師の治療を受けるために患者が通っていた道が「オステオパシーロード」と名前がつき残っています。
1973年に、アメリカではオステオパシードクターにM.D(西洋医学の医師)と同等の地位を与え、外科手術も投薬も検査も行えるようになりました。(アメリカのみ認められています。ヨーロッパや日本では認められていません)
現在、日本の理学療法士等を始めとする、整体分野での医療従事者達が、このオステオパシー療法を学び治療に取り入れだしております。
オステオパシーは、とてもソフトな施術です。
あまり痛みがなく、骨がパキパキ鳴ることもありません。
オステオパシーには骨格の歪みだけでなく筋肉や筋膜、内臓に対する治療方法があります。
さらに、血液やリンパの流れを改善する施術も行うことができます。
オステオパシーの治療法には、
・MET(マッスルエナジーテクニック)
・HVLA(高速低振幅)
・筋筋膜リリーステクニック
・FPR(ファシリテイテッドポジショナルリリース)
・スティルテクニック
・靭帯張力バランス・靭帯性関節ストレイン
・内臓マニピュレーション
・リンパ手技
等があります。
うちのスタッフの理学療法士達も、医科大学でこれらの療法に関する簡単な講義は受けたそうです。
けれど、どんなものかは全くわからないと言っておりました。
ということで、タイも日本と同様に、オステオパシーに関しては、まだまだ認知度は低いようで、オステオパシー治療をやっている治療院もほとんどないのが現実のようです。
正直、理学療法の中で行う理学整体は「痛い」です。
理学整体を提供している者がこんなことを言うのはダメかもしれませんが、理学療法の理論も身体を丸ごと診るという点でオステオパシーと通じるところがあり、理論的には素晴らしいものだと思います。
・・・・・が、治療に伴う「痛み」に関しては、もう少しどうにかならないかな〰と思う点は多いです。
タイマッサージ国のタイでは「痛い」のは、まず当たり前であり、痛くないのは良くない治療・・という概念があります。
なので、痛みが伴わないソフトなオステオパシーに対しては、彼女達自身があまりピンとこないようです。
確かに、彼女達の施術により、多くの患者さんの症状が劇的に良くなっていることは確かです。
彼女達はいつも「施術の時は痛いけど、施術が終われば今までの痛みが無くなっているから」と言います。
自分達の施術には、ゆるぎない自信を持っており、その自信の裏付けになる厳しいトレーニングを積んできています。
本当にその通りであり、彼女達技術にはいつも頭がさがるのですが・・
それでも、私的には、なんとかもう少し痛くないようにできないのかな〰と、いつも思っております。
でも、不思議な事に、反対に痛みがない施術に関しては、それはそれで・・・・
「何をされたのかわからない。けれど終わってみたら、痛みがなくなっていた」
という感想があり、
「痛みが無くなったのは嬉しいけれど、何をされたのかわからないという点でなんか物足りない・・・・・理学整体のあの痛みが癖になってしまっていて、痛みがないとどうもね~」
なんて、これまた贅沢なご意見をくださるお客様もおられるのです。
そんなことからRENEでは、痛みの伴う「理学整体」という理学療法と、痛みの伴わない「頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)」や「内臓アプローチ等」のオステオパシーの相反する2タイプの療法をご提供しております。
どちらもそれなりに気に入ってくださるお客様がおられ、また、どちらも気に入られる方もおられます。
加えていえば、どちらも気に入らないお客様もおられると思います。
RENEは、健康のためによりよい療法をご提供させていただいてはおりますが、施術を選ぶ選択はお客様にあると考えております。
そのためにも、お客様にしっかりと各療法について知っていただくために、ブログ等をお借りして詳細に説明していきたいと考えております。
オステオパシー療法及び理学整体等について、ご意見、ご感想等がありましたら、今後の参考のためにも是非お聞かせいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。